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滝の白糸
2007 / 03 / 19 ( Mon )
taki.jpg

1933年 日本 入江プロダクション 無声映画(活弁:澤登翠)
監督/溝口健二
原作/泉鏡花「義血侠血」
キャスト/入江たか子 岡田時彦 村田宏寿 菅井一郎 他

角川映画のHP「溝口健二の映画」 
マツダ映画社 

明治23年の初夏、北陸一帯を巡業する見世物師の中に、“滝の白糸”と呼ばれる水芸の太夫(入江たか子)がいた。美人で男勝りで、大変人気があった。舞台が跳ねた夜半、ふと見上げた橋の上で白糸が再会したのは、馬丁(馬の世話や口取りをする人)の村越欣也(岡田時彦)。欣也は法律家を目指しながら馬丁をしていたが、白糸のせいでその馬丁の仕事をクビになっていた。欣也に一目惚れをしていた白糸は、学費の援助を申し出て、彼を東京へと向かわせた・・・―「クラシック映画ニュース」より一部引用―

先週末は、「溝口健二の映画Ⅱ~戦前名作戦 澤登翠さん活弁大会2007」へ出掛けました。活弁とは活動写真弁士の略で、無声映画上映中に画面の人物のセリフをしゃべったり、話の筋を説明したりする人の事です。リアルタイムひとり吹き替え?まぁそんな感じです。
澤登翠さんの活弁は凛とした声で素敵でした。当たり前と言えば当たり前ですが、女性だけあって女性が上手い!女の一途な恋とそれに賭けるプライドが生き生きと伝わってきます。
上映作品は、『東京行進曲』と『滝の白糸』。『東京行進曲』は短縮版?でしたが、冬ソナもビックリ!な展開と流行歌とのタイアップが面白かったです。
上映の前後で、色んなミゾケン話が聞けました。東京・湯島の下町生まれだとか華族にひかされたお姉さんの事とか。来年は生誕110年になるそうです。ちなみに、私の大好きな時代劇映画『血槍富士』の内田吐夢監督と時代劇の父・伊藤大輔監督もだとか。うわ~両監督の戦前映画が一本でも多く見れると良いなぁ。

以下、ネタバレで『滝の白糸』の感想を。
泣く・・・と思ってました。そして、やっぱり泣きました。可哀想とか言うよりも、白糸に課せられる残酷な運命がどうにも出来なくて(観客にどうにか出来る訳がないのですが、どうにかしてやりたいって思うのです)、それが痛くて悔しくて辛いのです。
最初に『滝の白糸』を見たのはレンタルビデオで、活弁は男性によるものでした。その時は泣きませんでしたが、やっぱり胸が痛かったです。今回はスクリーンで、しかも女性活弁士・澤登翠さんの活弁で見る事が出来ました。女性の活弁だからこそ、白糸の言動に血が通います。社会の底辺に生きる弱い女性としてではなく、ひとりの職業婦人としての彼女を感じる事が出来ました。白糸は可愛くって健気で負けん気が強くて、プライドを持った女性です。

白糸と欣也、このふたりが好きです。結婚出来たら良いねぇ・・・と心底思います。
白糸が欣也に恋するシーン。うん、恋しちゃうよね。クールで無愛想だけど芯が熱くて、欣也ってば格好良いよね。
裸馬に無理矢理乗せて、気絶しちゃった白糸に水を飲ませようとする欣也。茶碗からは飲ませられないので、自分の口に水を含みます。おぉ!口移し!?とドキドキ期待して見ていると、更に水を含んで・・・次の瞬間、白糸の顔にすごい勢いでぶっ掛ける。・・・何それ!?ドキドキし損ですが、そんな肩透かしな欣也がたまらん素敵☆
白糸が欣也に告白するシーン。良いんだぁ・・・これが。援助の恩返しに何をすれば良いか尋ねる欣也、白糸は恥らいながら「ただ、欣さんに可愛がってもらえたら・・・」と答えます。この可愛がるっていうのが、将来の結婚を指しているのか、一夜限りの恋を指しているのかは分かりませんが、なんて素敵なセリフなんでしょう!美人からこんな告白されたら、いくらカチコチに真面目な欣也でも撃沈です。うつむいて膝の上に目を泳がしている欣也が可愛い。
このふたりがこんなに魅力的なのは、演じる俳優がホント美男美女だからだと思います。白糸は入江たか子、欣也は岡田時彦。今の感覚で見ても、充分に美しく映るふたりです。岡田時彦は32歳で亡くなったそうです。結核だとか・・・美人薄命。そんな役なら似合うけど、現実だとはかな過ぎです。今回初めて知ったんですが、女優・岡田茉莉子のお父さんだとか。なんて美男美女な父娘だ!とビックリしました。

ラストは、罪を犯した白糸を見事検事になった欣也が裁きます。自分を裁く欣也の立派な姿(三つ揃えに7:3スタイルがメッチャメチャ素敵!検事の制服?も面白くってなかなか素敵です)に、嬉しそうに微笑む白糸。最初は辞表を出してまで拒もうとしたけど、白糸を自分が裁く事こそが彼女の恩に報いる事、使命だと厳格に裁判の臨む欣也。この裁判シーンは、(現存している?)日本映画では最古の裁判シーンだそうです。何かの本に書いてました。ふたりのバストアップが多用され、言葉にならない会話が目や表情から感じられます。悲しくも美しいふたりに、どうにかならんのか!と涙が止まりませんでした。

溝口健二監督の映画では、この『滝の白糸』が一番好きです。未見の映画もいっぱいあるので、今のところ・・・ではありますが、多分ずっと一番な気がします。好きな理由は、主人公である白糸が運命の荒波に翻弄され、どんなに多くの人に裏切られても、恋する欣也にだけは裏切られないから。他の何を失っても、白糸の恋とプライドは報われるから。
三年の離れている期間、白糸は女の一念で欣也に援助(仕送り)を続けます。欣也を自分の手で一人前にするのが、彼女のプライドであり全てです。欣也も勉学に励みます。が、決して法律家になって出世をするのが目的ではなく、全ては白糸との未来を築く為です。白糸なしの人生を欣也は考えていません。
そんな風にひとりを思ったり思われたり・・・。映画や小説の中だからこそのフィクションの世界ですが、一介の乙女として(苦笑)焦がれれずにはおれません。
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コメント
--こんにちは--

溝口監督祭りはもう少ししたら始めようと思っています。レンタルショップにはDVDを置いてくれたものの見たかった「西鶴一代女」「武蔵野夫人」は置いてくれなくて残念です。。。が置いてくれた事だけでも感謝したいと思います。
「滝の白糸」もなかったんですが…結構昔の映画ですね。まだDVD化されてないのかもしれません。出来れば映画館で見てみたいです。近くの映画館でたまに昭和の映画を上映してくれるので来年の生誕110年を記念して上映してくれないかな~とちょっと期待しています。
by: natsu * - * URL * 2007/03/21 * 11:01 [ 編集] | top↑
--natsuさん♪--

こんばんは~^^

『武蔵野夫人』は未見です。あらすじを読む限りメッチャ面白そうですね。しかも森雅之なんですね。それは見なきゃ!『西鶴一代女』はかなり評価が高いですよね。私は山田五十鈴、木暮実千代、若尾文子が好きなので、『浪華悲歌』、『祇園の姉妹』、『雪夫人絵図』、『祇園囃子』等が印象的でした。雅之好きとしては、『雨月物語』はやっぱり外せません!(笑)番外として、新藤兼人監督の『ある映画監督の一生』も面白いですよ~インタビュー集ですが。『滝の白糸』のDVD化はまだのようです。一部欠落しているからかも。natsuさんにぜひ見て欲しいので、生誕110年記念上映を私も切に願います!
natsuさんの溝口祭り、心待ちにしていますね。それ以外のレビューも毎回楽しみです♪
by: weiyang * vRNraZ0k * URL * 2007/03/22 * 00:29 [ 編集] | top↑
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