全件表示TopRSSAdmin
information


スポンサーサイト
-- / -- / -- ( -- )
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

_____________________________________________________________

-- : -- : -- | | page top↑
けんかえれじい
2007 / 05 / 19 ( Sat )
20070516112025.jpg

1966年 日本 日活
監督/鈴木清順
脚本/新藤兼人
キャスト/高橋英樹 浅野順子 川津祐介 恩田清二郎 宮城千賀子 松尾嘉代 玉川伊佐男 浜村純 加藤武 他

岡山中学の名物男・南部麒六(高橋英樹)は、“喧嘩キロク"として有名だ。そのキロクに喧嘩のコツを教えるのが、同じカトリック信者のスッポン(川津祐介)。そのスッポンの薦めでキロクは、OSMS(オスムス)団に入団した。凄まじい喧嘩の末、キロクはOSMS団の副団長となる。だが、そんなキロクにも悩みはあった。下宿先の娘・道子(浅野順子)が大好きなのだ・・・―「goo 映画」より一部抜粋―

「『ツィゴイネルワイゼン』での受賞は嬉しいのですが、何故か名作『けんかえれじい』はキネマ旬報の年間ベスト10にも選ばれませんでした。私としては『けんかえれじい』の方が遥かに名作だと思うのですが、賞とは不思議なものですね」
↑は、『ツィゴネルワイゼン』がキネマ旬報の作品賞に選ばれた際の受賞パーティーでの、清順監督の挨拶の一部?だそうです。この潔いまでに娯楽に徹底した『けんかえれじい』の方が名作!と言い切っちゃう清順監督が、たまらなく良いなぁ。なんか嬉しくなっちゃいます。映画は娯楽!それを真っ向から肯定してくれる清順監督は、変に芸術志向な監督よりも好感持っちゃいます。ちなみに、私は『ツィゴイネルワイゼン』も大好きですよ♪芸術性も勿論高いけど、どっちかと言うとやっぱり娯楽ですよね。

以下、『けんかえれじい』と、少しだけ『殺しの烙印』の感想です。
まず、『けんかえれじい』ってタイトルが良いですね。全部平仮名なのが◎。当時の垢抜けない、熟語のオンパレード的なタイトルが多い中では、かなりのハイセンスを感じます。あと、清順監督作品は音楽もハイセンスだなぁ。オープニング・テロップからその世界観へどっぷり浸れ、途中の緊張感とか切ない感じとか、突拍子なく、でも絶妙に演出してくれます。オープニングの数え唄も楽しい♪

ストーリーはタイトル通り、とにかく喧嘩、喧嘩の繰り返しです。拳や蹴りがちゃんと当たってて痛そうで、かと言って目を背けたくなるほど残虐でもない。このさじ加減が素晴らしいです。これぞ映像学って感じがします。かみそりとか剣山とかを使った道具を仕込んでいるシーンが、いちいち導入されるのも面白かったです。肥溜めすら、モノクロだと映像美?喧嘩のシーンで効果的に使われていました。本当に色々と効果的(笑)。漫画で言えば、梶原一騎の世界でしょうか?(あんまり詳しくないんだけれども)

この高橋英樹、良いなぁ・・・とぼけてて鈍で純で。時代劇で見栄を切っている顔も勿論良いですが、このぽかーんとした間の抜けた顔も素っぽくって好きです。OSMS団長(だったかな?)に「焼き入れたる。日曜日に来い」って言われて、「日曜日?教会行かんとあきまへんねん」と答えるシーンとか、最高!!と思いました。それにしても、この映画の中の岡山弁って変やわぁ。関西弁ちっく?たまにべらんめえ口調だったり。この適当さ加減も好き要素のひとつです。

その高橋英樹演じるキロクの喧嘩の師匠が、川津祐介演じるスッポン。キロクからは「先生」と呼ばれ、多大に慕われています。
とにかくとにかく!この川津祐介の可笑しくって奇天烈で、なのに至って自然な演技は素晴らしいです!!川津祐介の演技ってぶっちゃけどうなの!?と一時期不安になったのですが、この作品を見て納得。あぁ・・・、この人ってこういう世界の方が生き生きするんやぁ・・・、と。地に足が付いていない人物こそ当たり役、血を通わせ湧かせ肉を躍らせます。
このスッポン、行動も言動もとにかく奇天烈。
最初の登場シーンでは開口一番、「俺は人々から“スッポン”と呼ばれている。お前にもそう呼ぶ事を許そう」みたいな自己紹介を。・・・“人々”って(笑)
竹薮での修行のシーンは、ジャッキー映画のそれを彷彿をさせます。が、それ以上に超真剣でばかばかしいのが良いです。ちなみに、修行の時のスッポンは剣道着を着用。メッチャ似おうとります。
「この葡萄酒はキリストはんのもんやないで。俺が隠してたんや」とか、教会でカトリック信者失格?なセリフを言ったり。喧嘩の際は、鍋を頭にカブって登場したり。実は、自動車整備士という定職があったり。ローラースケート?で、軽やかにフェイドアウトしたり。「同じ日本人同士や、話したら分かるやろ!」とか単純過ぎる思考を持ち、結局話し合いにならず学校の先生を殴っちゃって、市内から津山へ高飛びしたり。(中途半端に近いのが・笑)住所氏名を書けと言われて、“スッポン”とだけ達筆にしたためて、「岡山中これで通じる」と言ったり。
こんだけ変な役なのに、高橋英樹の演技や清順監督の演出の方が目立っちゃっているのは、ただただ川津祐介の演技が自然過ぎるから。ハマり過ぎるのも考えもんです。

この映画における恋愛は、キロクと浅野順子演じる下宿の娘・道子との。はい、それだけです。(松尾嘉代がちょっとワケあり気で登場するけど、詳細は不明やしなぁ)
清純とか可憐という言葉がぴったりの道子への恋と、男たるもの!という硬派の精神の間で苦悩するキロク。彼の喧嘩三昧も、結局はその欲求不満を払拭する為なんだよねぇ。あぁ青春!(笑)そんなキロクの気持ちを知ってか知らずか、情操教育とピアノを教えてくれたり。あぁ・・・そんなに密着したりしたら、逆に可哀想です。そらぁ、夜中にピアノも弾きます。

キロクが高飛びする先は、叔父さんがいる会津若松。ここの学校の先生が絶妙です。男“良志久”な校長に、アヒル先生にマンモス先生。このチープなあだ名が良いなぁ。
映像的に面白かったのは、アヒル先生と生徒達のシーン。教壇に立つアヒル先生と席に座る生徒達の掛け合いが、画面を黒で交互に切りながら展開していくのがなんとも斬新でした。なんでもないようなシーンなんだけど、コミカルに緊張感が高まります。
ここ会津若松でも大喧嘩があるのですが、スッポンが絡まないとなんか今ひとつやなぁ・・・。(私だけ?)

ラストは微妙に訳分からん展開で、だからこその清順ワールドが堪能出来ました。
道子は何故修道院へ!?と、観客をほっぽたままドラマは展開していきます。障子を破いて、男の手を強く握る・・・なんて、なんとも雰囲気のあるシーンが導入されたかと思えば、狭い雪道で軍隊に蹴散らされたり。???なんですが、やっぱり面白い。
道子を失い、“少年よ、大志を抱け”とばかりに目覚めたキロクは、その喧嘩の舞台を求め東京へ・・・。個人的には、ヌルくてばかばかしいテイストのまま締めて欲しかった気もしますが、そんな裏切りすらも面白い映画でした。

20070517112150.jpg


『殺しの烙印』
「訳の分からない映画を撮る奴はいらない」と当時の社長に激怒され、清順監督の日活追放の原因になった映画だそうです。・・・う~ん、確かに訳分からんけど、まず映像ありき美学ありきで、それに筋をくっ付けている感があって、そこがたまらなく面白かったです。そして、これまたテーマ曲が◎。
主演は、宍戸錠。男臭くてセクシーなんだけれども、やっぱり必要以上に気になるよ・・・ほっぺた。そして、私の一番のお目当ては、真理アンヌ(隊員)!宍戸錠を首ったけにしちゃうエキゾチックでミステリアスな美女。たまらなく絵画的で、演技以前に存在で魅せてくれました。・・・にしても、結局はなんだったんですかね、彼女って?ずっと殺し屋のひとりだと思って見てたけど、え!?違うの??
スポンサーサイト

_____________________________________________________________

00 : 09 : 35 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<ひこにゃん+シンポジウム「京都の時代劇映画」③ | ホーム | またまた新人監督賞受賞>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://19740930.blog57.fc2.com/tb.php/328-089ac0d0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。