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戦争と平和
2007 / 06 / 23 ( Sat )
1947年 日本 東宝
監督/亀井文夫 山本薩夫
キャスト/池部良 伊豆肇 岸旗江 大久保進 菅井一郎 藤間房子 他

小柴健一(伊豆肇)は、中国戦線へ送られる途中輸送船が爆撃で沈没し、中国人に助けられ一命を取り止めた。以来中国軍で働いていた。東京で留守を守る妻・町子(岸旗江)と幼い茂男(後に大久保進)のところへは、健一の戦死の通知が届いた。町子は絶望に暮れた。ある日、町子は健一と共有の幼友達で、今は戦傷の身を陸軍病院に養う康吉(池部良)を見舞う。意識不明の康吉は、町子の名を繰り返し呼んだ。回復した康吉は、何くれとなく町子と茂男に暖かい心を配っていた。康吉の「自分、坊やのお父さんになれませんか」という言葉に、町子は苦悩の末全てを委ね、ふたりは結婚するのだが・・・―VHSのあらすじと「goo 映画」を参考に―

まだ続く独り池部良祭。6本目は、亀井文夫監督と山本薩夫監督の共同監督作、『戦争と平和』。いつも以上にあらすじを追った感想です^^;。亀井監督はよく知りませんが、主にドキュメンタリー映画を撮られていた監督さんなんですね。山本監督は、『忍びの者』、『白い巨塔』、『氷点』、『華麗なる一族』を見ています。社会派な題材を得意とされた監督さん、という印象があります。
ついでに、7本目、市川崑監督の『暁の追跡』の感想も。
ムムム・・・☆これは結構、思ってた以上に凄い作品なんじゃ!?

夫・健一の誤った戦死の通知を受け、妻・町子は幼子・茂男を抱え絶望に暮れる。そんな折、健一と町子の共有の幼友達・康吉が戦地より帰還する。精神的ショックから発作を起こし入院していたが、間もなく回復。町子にポロポーズし結婚するが、戦地で受けたショックから完全に立ち直ってはおらず、ある空襲の晩に遂に発狂してしまう。終戦を迎え、健一が中国から戻ってくる。家のあった辺りは一面焼け野原になっていて、町子と茂男の行方も分からなかった。が、万引きした浮浪児を追って行った先で、健一は町子と再会する。脅えて逃げる町子を追うと、町子の部屋には、空襲の晩から発狂したままの康吉がいた。町子から康吉と再婚した事を告げられ、憤りと戸惑いを隠せない健一。そこにひとりの少年が帰ってきた。先ほどの浮浪児であった。その少年こそが、健一の実の息子・茂男だったのだ。茂男は康吉を実の父親と慕っており、また、町子は康吉の子供を妊娠していた・・・。

凄いなぁ・・・なんか。一転二転三転と、物語がどんどん展開して行きます。やりようによっては、いくらでも目も当てられない修羅場ドラマに出来そうですが、この映画はドロドロはしません。それが良いかどうかは別にして、思いのほかさらっとしています。その一番の理由は、おそらく健一がとっても良い人だから。それこそ↑の展開なら、チョ~耳障りな放送禁止用語で、町子をビシバシ罵倒しそうなものですが、健一はそうはしません。個人・町子を責める事なく、戦争やそれを先導した人間を憎みます。また、自分と同じく康吉と町子も、戦争の被害者であると説く。ありえん良い人です、天使か生き仏って感じです。勿論すんなり受け入れた訳ではなく、彼は彼なりに苦しんではいるのですが、だからこそ、ますます良い人だなぁ・・・と思っちゃいます。
彼が目にする、戦後の荒れ果てた日本。その中で、流されるままに堕ちていく人々。またその中で、懸命に励まし合う人々。そういうエピソードが、物語の合間合間に上手く入っていて、健一というキャラの美しさも更に引き立ちます。

その健一を演じるのは、伊豆肇。私は今回初めて知った俳優さんですが、後で見た『青い山脈』のガンちゃんが好きで♪美形やないけど、素朴で不器用そうで、ちょっと軽みのある感じが良いです。
そして、町子を演じる岸旗江は、ポチャポチャした丸顔でちょっと腫れぼったい目なんですが、目も鼻も大きく顎も綺麗に前に出て、大変整った顔をしています。いかにも戦時中の美人妻!って感じです。

20070622210348.jpg

また、町子のキャラ自体も印象的でした。生きて無事戻った健一とヨリを戻そうとか、頼ろうとか。そういうのが一切なく。康吉との結婚生活とはいっても、そのほとんどを康吉は発狂している状態です。勿論仕事も出来ず、度々発作を起こす。康吉の世話に追われて、息子の茂男にも目が届かず・・・。それでも、彼女は康吉を捨てようとはしません。康吉の頭を抱きながら、「あなたは私が守ってみせてよ」とまで言うのです。強い、というのとは違うんでしょうね。むしろ弱くて。一番誰かに傍にいて欲しかった戦時中に、「幸せになろう」と懸命に守ろうとしてくれた人。そんな康吉の存在は、発狂しようがどうなろうが、傍にいてくれるだけで生きる糧になったのでしょうか?そういえば、康吉と再婚する時に、町内会の人?が「戦死した人間の妻、要は軍国の母が再婚するなんて・・・」と責めますが、それって酷いなぁ。戦時中、女がひとりで子供の抱えて生きてくって、本当に本当に大変だと思います。自分がよく知っている人で、しかも、自分を心から愛してくれている。そのプロポーズを受けるのって、自然の選択なんじゃないかなぁ・・・。(よっぽど生理的に受け付けなければ、別ですが^^;)なんて、そんなのは通らない時世だったんでしょうね。
ただ、そんな町子の姿を見せつけられる健一は、ますます可哀想で救われない。「君は康吉を守るだけで精一杯だろ。康吉の子供も生まれるんだし、茂男を返してくれ」、ありたけの嫌味を込めようとしても、誠意が邪魔してこの程度なんて・・・(哀)。

そして、物語はまた一転二転。
康吉が正気に戻り、町子と茂男は勿論、健一も心から喜び祝杯を挙げる。そして、もう来ないと言う健一に、康吉は「来れば良いじゃないか」と友情と申し訳のなさを示す。が、自分が正気を失っている間に、日本が戦争に負けた。それがどうしても受け入れられず、職探しも難航する康吉は、次第に町子と健一の仲を疑い始める。「狂っていた間は何も分からなかった!お腹の子供は、本当に俺の子か?」、荒む一方の康吉。遂には、金と引き換えに犯罪に手を染めようとするが・・・。

男として最悪やな、そのセリフ。ガッカリ。
そのガッカリな男・康吉を演じるのが、池部良。「映画俳優 池部良」の本人インタビューによれば、俳優としては好きな映画じゃないんだとか。う~ん・・・、確かに人間がリアルには描かれていないかもですが、私からしてみればたまらん映画でした。少なくとも池部良に関しては、誠実に愛も語るし発狂もする。疑い苦悩して荒んで堕ちる。色んな顔が見れて嬉しかったなぁ^^。敬礼する姿も、さすがにサマになっていましたし。
あと、茂男の子役が良かった!「盗んでなんかないやい!」と、鼻を人差し指でかく。顔もそうだけど服とかも、いかにも昭和の子って感じで可愛かったなぁv 漫画から抜け出してきたようなキャラなんですが、とにかくお父ちゃん大好きで。大家に突き飛ばされても、康吉にこけるくらい叩かれても泣かない。だけど、ラストは大泣きして「お父ちゃんをいじめるな!」。ええ子や~~!(感動)

実は、この作品は3回も見ました^^;。単に、好きvっていうのもあるのですが、感想がちっともまとまらなくて。ただ、3回も見た所為か、いつもなら見逃してそうな点にも、ちらほら気付けたり。まず、シーンとシーンの繋ぎがスムーズ。康吉が発狂して倒れ、その後嘆きの像みたいなのが映し出されて、カメラ移動。像の下には、終戦の言葉を聞く人々が・・・とか。ドキュメンタリー映像の導入のタイミングも上手い(ような気がします^^;)。出だしがちょっとドキュメンタリーちっく。挿入歌?が絶妙に使われていて、哀しく美しく中国の状況を見せていました。私の中では、結構発見!だったので、たまには繰り返し見てみるのも良いかも^^

この映画には、日本だとか中国だとか侵略戦争だとか国家主義だとか、そういう大きく捕らえた戦争への批判も勿論あるのでしょう。でも、それ以上に、戦争によって沢山たくさん壊され砕かれたであろう、“個人の幸福な生活”。それを追及した作品だったように、私は思います。ラストの皆の笑顔が、本当に幸せそうで良かった!赤ん坊=命が希望である。それは、常に当たり前であって欲しい、何モノにも変えがたい素晴らしい事ですね。


『暁の追跡』(監督/市川崑、脚本/新藤兼人)

暁の追跡 暁の追跡
飯田信夫、伊藤雄之助 他 (2005/09/22)
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VHSの音声が恐ろしく悪くて、ちょっと理解出来ていないとこもあるのですが^^;
ロングショットの多い映画でした。だから、池部良の顔のアップもごくごく控えめ。アップになったと思ったら・・・あら、今回はパーマ当ててんのね。直毛の時は、たまにエリンギみたいだけど、今回は・・・ウメズカズオみたい☆杉葉子とは恋人同士なんだけど、そんなにアツアツやないのが良いです。キスシーンもロングショットでしたが、それがまた新鮮だったり。
背景が、いかにも戦後間もない東京って感じでした。ビルとかが建ってはいるけれど、どこか殺伐としていて廃墟的で。登場人物がそれぞれ、戦争を経て・・・という会話をしてて。警官になった者のいれば、犯罪者になるしかなかった者もいて。警察の中にも、色んな考えの人間がいて。そういうのに対して、主人公が色々葛藤している。こういう映画って、結構斬新かも☆
クライマックスの銃撃戦が、いわゆるドンパチじゃないけど、やっぱり見応えがありました。そして、やるせなさみたいなモノが漂ってて。それが、物語全体を上手くまとめていたような気がします。
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コメント
--『戦争と平和』--

weiyangさん、こんばんは!
私も昨夜、『戦争と平和』のビデオを見ましたよ!
「池部良=アクの無いさわやか好青年」というイメージがガラガラと崩れ落ちる作品でした・・・。あまりの衝撃に一瞬この作品に出会ってしまった事を後悔してしまった程ですが、でも見なくてはならなかったのだと思います。あの戦争で精神を病んでしまった人達というのは、確実に存在したはずですから・・・。

一点を見つめながらつぶやき続ける池部さん、大声を上げて倒れる池部さん・・・。特に強烈だったのが、岸旗江さんの手を舐め回すシーンでした。あのシーンは並みの濡れ場よりずっと性的だったと思います。池部さんの濡れ場って私は想像つかなかったので、これが一番精神的に参りました。これから先、あの爽やかな『青い山脈』を見直しても、『戦争と平和』が頭によぎってしまいそうです・・・。

『二十四時間の情事』の写真展は、今年の12月16(火)~21(日)にかけて、広島県立美術館地下ギャラリーで行われるそうです。ああ、待ち遠しいなあ!広島って私にはかなり遠いんですが(笑)。

岡田英次さんは、若かりし頃は凄く病んでる役ってあまりないですね。『二十四時間の情事』でも、戦争の傷を負いながらも案外したたかに生きていそうな感じに見えました。やっぱり野性的な雰囲気があるからでしょうか。

by: むー * - * URL * 2008/05/19 * 21:46 [ 編集] | top↑
--むーさん♪--

こんばんは~^^
『戦争と平和』、ご覧になられましたか!これって結構な問題作ですよねぇ。ちなみに、『青い山脈』より前の作品ですね。

手を舐め回す池部さんは凄~く官能的だし、正直ちょっとグロテスクにも思えます。あと、発作で胸を掻きむしったり、岸旗江に喉をさすられたり。そこもなんだかエロいですよね。性的に何かするんじゃないけど、絵がエロい。映像で魅せる、映画的な官能を味わえるのも、この作品の魅力の一つだと思います。そこに・・・池部さん!!そうなんです!池部さんってただ爽やかってだけじゃなくて、アクも毒も持ち合わせている俳優さんなんです。それをしっかり生かした作品だと、本当に官能的な池部さんが堪能出来ます。悪魔的でデカダンス。私が池部さんに惚れている大きな魅力なので、むーさんにも気に入って頂けると嬉しいのですが・・・^^;

テーマが重いので、確かに精神的に参っちゃうシーンも多いですが、取って付けたくらいに明るく、希望があるラストに救われます。・・・はい、物語的にも池部さん的にも沢山見所があって、私は大好きな作品です^^

『二十四時間の情事』の写真展、12月なんですね~情報ありがとうございます!是が非でも出掛けられるように、今から色々準備したいと思います。

若い岡田さんの病んでいる役は???ですが、嫌なというか、意地悪な役はありますよね。『真空地帯』とか『雲ながるる果てに』とか。今か♪今か♪と登場シーンを待ち焦がれ、ようやく出てきたと思ったら・・・チョ~嫌なヤツ!!みたいな(笑)。でも、そういう岡田さんもやっぱり大好きですvvv
しかし、岡田さんと池部さんの共演って結構あるのにぃ・・・。『君よ憤怒の河を渉れ』しか見た事がないなぁ(哀)
by: weiyang * vRNraZ0k * URL * 2008/05/20 * 18:25 [ 編集] | top↑
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