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暗夜行路
2007 / 09 / 09 ( Sun )
1959年 日本 東宝
監督/豊田四郎
原作/志賀直哉「暗夜行路」
キャスト/池部良 山本富士子 淡島千景 仲代達矢 千秋実 荒木道子 小池朝雄 岸田今日子 他

時任謙作(池部良)には出生の秘密があった。幼馴染との縁談が壊れたのも、それが原因であった。謙作は祖父の死後、その妾であったお栄(淡島千景)と二人で暮していた。やがて、お栄を女として意識するようになる。年も上で祖父と関係のあったお栄に、そんな気持を抱くようになった自分を持てあました謙作は、旅行を思い立ち尾道へ。そこで彼はお栄との結婚の決心し、その旨を兄の信行(千秋実)に書き送った。その時、初めて出生の秘密を知らされた・・・―「goo 映画」より抜粋―

2、3日前、TVが壊れました。TV番組は勿論、映画も家では見れません。しかしながら、誰も早く直そうとか新しいのを買おうとか言いません。なかったらなかったで良いみたい。我が家族ながら、ホント原始的な一家だなぁ。

この週末は、小津安二郎監督の『東京の合唱』と、山本嘉次郎監督の『綴方教室』を見ました。
『東京の合唱』の一番の目的は岡田時彦だったんですが、思ってたより美形やなかった☆でも、ちょっとした一瞬が凄く格好良かったりするので無問題です。全体的にコメディ調なんだけど、最後は結構寂しいというか辛いというか。無声映画で120分という長さでしたが、中だるみする事なく楽しめました。子供達が「パパ、ママ」と呼ぶ辺りからして、戦後の作品よりずっとお洒落でモダンな感じです。
『綴方教室』は、子供が実際に書いた綴方(作文)を映画化したものだそうです。貧しいながらも、明るさを失わない少女がきらきら描かれていました。少女を演じるのは高峰秀子、当時12歳。これが初主演作品だそうですが、既に大女優の貫禄です。可愛さというか、垢抜けた感じが生半可じゃないです。『東京の合唱』でも子役で出演し、腹巻onパンツ姿を披露。チョ~可愛かったけど、やっぱり半端なく洗練されていました。そうそう、滝沢修の先生も格好良かったなぁv

以下、池部良祭38本目『暗夜行路』の感想です。
両親の愛に飢え、絶対の愛を渇望し、ようやく手に入れたと満たされるのも束の間。己の出生の秘密をなぞるような悲劇が・・・。 “理屈で赦していても、心ではどうしても赦す事が出来ない”。この物語の主人公・謙作の背負った出生は残酷で稀有だけど、テーマ自体は誰にでもあるであろう心の葛藤だと思います。・・・それにしても、これまた映像にしにくそうな題材を映画化したもんだ☆
原作は、“小説の神様”と呼ばれた志賀直哉の唯一の長編だそうです。タイトルだけは学校で習ったけど、へぇ~“小説の神様”かぁ・・・。これは私もイッチョ原作を読もうかなぁ・・・と思い、しばらく感想を保留にしていました。ちょっと前に原作を読み終えたので、書き溜めていた感想と併せてアップしようと思います。

結論として、私は映画も充分面白かったです。原作を知らず全てが新鮮だった所為もあるかもですが、141分という長さも苦痛ではありませんでした。取り立てて社会的な大きな事件はないけど、一人の人間の苦悩を土地々々の風景と共に描く・・・。長編である原作を過不足なく、かといってダイジェスト版といった薄っぺらさもなく、しっかり映画にしていたと思います。惜しいというか、ここは是非映像にして欲しかったなぁ・・・と思うのは、謙作が無意識に五感で追ってしまう母と子の姿。原作のようになんの説明もなく、ただそういう描写が要所々々で導入されれば、もっと謙作の心の負荷が感じられたように思いまます。

壁にぶつかる毎に旅に出る謙作。同情とか反感とか持つ前に、羨ましいなぁ・・・と思いました。旅先の映像がまた素敵で、私だって尾道へ行きたい!ついでに鞆の浦も行きたい!と。尾道や大山は全然分かりませんが、京都なら少しは見知っています。御所や銀閣寺や哲学の道など、京都の情緒がモノクロ画面に鮮やかです。やっぱり絵になる町ですねぇ、京都は。

その主人公・謙作を、池部良。そもそも志賀直哉が、池部良が謙作を演じる事を条件に、映画化の権利を東宝にくれたそうです。(池部良のエッセイにある、志賀直哉との初対面のエピソードは楽しい^^)
この手の文芸作品の主人公というのは全部が全部じゃないけど、苦悩し恋愛し躁鬱し、時には突拍子もない言動を起こします。そういう言動が目も当てられないのは、やっぱり駄目です。広大な風景に負ける事なく絵になり、観客を共感に近い気持ちにさせる。俳優に求められるのはそこで、そういう点で池部良は正に適役だと思います。謙作の持ち前の神経質な感じもよく出ていました。
あとは、新妻に向かって言う「馬鹿」ってひと言。このセリフをあんなに甘く言う俳優、他に知りません。(この人ほど厳しく言い放つ俳優も知らないけど)他にも結構刺激の強いセリフがあって、ドキドキします。原作でもそれなりだったけど、池部良の口から出ると本当に毒があるみたい。この甘い毒が、他人事としか受け入れられない苦悩を、観客に共感、もしくはそれに近く感じさせるのかもしれません。

謙作の兄・信行に、千秋実。凄く原作のイメージに近かったです。謙作の出生の秘密を知っているけど、真心で謙作に同情し、それを知って謙作が傷付く事に心を痛める。どんな時も謙作の立場で物事を考えてくれる、本当に良いお兄さんでした。
謙作は、友人にも結構恵まれていたと思います。結婚も、友人が一生懸命骨を折ってくれてたもんなぁ。謙作自身は、人間の好き嫌いがかなり激しいみたいでしたが。

女優陣も素晴らしかったです。
同居している亡くなった祖父の妾・お栄を、淡島千景。謙作よりずっと歳が上って役だったけど、実際は池部良より年下です。『もず』の時も老け役で水商売の女性だったし、実年齢より年上の役が多かったのかも。
まぁ色々と道徳的な事を含めて問題はあるけど、このお栄と謙作が結婚したら良かったんじゃないかなぁ。そうしたら謙作も、そしてお栄自身も幸せになれたように思います。お栄も本当は謙作が好きなんだろうし、お栄が中国へ行ってしまう事で断ち切られちゃった、二人の仮定の未来を思うとちょっと悲しいです。原作では二人布団を並べて寝るシーンがあって、そこも映像にしてくれたら嬉しかったなぁ。でも、映画の方は映像ならではの別れのシーンが素晴らしかった!蚊帳越しに見る二人があわあわと幻想的で、日本家屋の情緒と相まって本当に綺麗でした。
謙作の妻・直子を、山本富士子。ころころ笑い、表情も仕草も全てきらきらしています。アップの時はメイクがあまりに完璧で、モノクロなのに極彩色並みの華やかさ。新婚のラブラブ振りは良かったなぁ、ホント甘くて。とにかく、謙作がひと目惚れしちゃうのが納得出来ます。納得出来ないといえば、なんで仲代達矢やねん!池部良という甘い男前の旦那がいながら・・・、あぁ~納得がいかん!!(個人的趣味の相違なんか無視)
それにしても、あの汽車で突き飛ばされるシーンは驚きました。アップでくるくる回って、ロングでまたくるくる回って。謙作への複雑な思いが詰まった良い表情でした。
しかし、この作品で一番魅力的な女性だったのは、やっぱり岸田今日子の娼婦でしょう!原作では違うけど、映画の方だけを見ると謙作の最初の女性っぽい。出番は短いけど、モノクロ画面に妖艶に煌くあの眼差しと唇・・・。そらぁ、謙作やなくても部屋に上がっちゃいます。なんちゃって京都弁も小悪魔っぽくて官能的だし、謙作もその胸に顔を埋めて恍惚の表情・・・。池部良のエッセイよれば、羽化登仙の気持ちだったとか。そうかぁ、そんなに・・・(笑)

原作が巧みな文章を用いて、主人公・謙作の心のひだを細かく砕いて表現している。それを、映像だけでそっくりそのままトレースするのはやっぱり難しそうです。映画では謙作の気持ちを掴みにくい時もあったけど、それでも何かしらの波長は伝わってきました。
映像による旅先の風景は、素朴、雄大、情緒。それらがダイレクトに伝わってきました。特に日本家屋は素晴らしかった!開け放った空間に奥行きを感じます。特に面白いなぁ・・・と思ったのは、先にも書いた蚊帳越しの幻想的なシーンと、ラスト近くの仏壇の中から撮ったシーン。仏壇のお供えが縁取って、大変面白い絵になっていました。
ラストがちょっと爽やか過ぎる気もするけど、あまりエグくすると原作から離れちゃうんだろうなぁ。美しい大山の山々が堪能出来たので、個人的には良しです^^


この秋に見れる池部良の映画やドラマをピックアップ(↓)。

一つくらい画像を・・・

<映画館・上映会>
川崎市市民ミュージアム
 9月9日
 『白夫人の妖恋』
 『お姐ちゃん罷り通る』
 9月23日
 『おしゃべりな真珠』
ラピュタ阿佐ヶ谷「松林宗恵監督特集」
 9月9日~15日
 『潜水艦イ-57降伏せず』
 9月26日~10月2日
 『まり子自叙伝 花咲く星座』
 10月3日~9日
 『兄とその妹』
 10月10日~16日
 『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』
 10月28日~30日
 『太平洋の翼』
ラピュタ阿佐ヶ谷「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第37弾 桂木洋子」
 10月14日~20日
 『破戒』(監督/木下恵介)
神戸シネ・ピピア2「煌く日本映画の女優たち」
 9月15日~21日
 『花影』(監督/川島雄三)
シネ・ヌーヴォ(大阪・九条)「小津安二郎監督戦後傑作選」
 10月14日~16日
 『早春』

<TV>
NHK総合
 9月25日(火)~(毎週月~金) 15:15~
 「夏の日の恋」
BS2
 10月9日(火) 13:10~
 『青い山脈・前編』(監督/今井正) 
 10月10日(水) 13:10~
 『青い山脈・後編』(監督/今井正)
 10月11日(木) 13:10~
 『若い人』(監督/市川崑)
 10月12日(金) 13:10~
 『雪国』(監督/豊田四郎)

<動画の購入・視聴サイト>
シネリエ CINELIER -映画のソムリエ -
 10月~
 『乾いた花』(監督/篠田正浩)

<DVD発売>
 12月7日
 『獄中の顔役』

<雑誌>
 9月1日発売
 「諸君!」
 (読み巧者108人の「オールタイム・ベスト3」 永久保存版 私の血となり、肉となった、この三冊)

関東では未見の作品がいっぱい上映されますが、泣く泣く我慢です。それでも、TV放送を含めると数本は見れます。やっぱり衛星映画劇場は頼りになるわぁ。『若い人』、あらすじだけを読むと「高校教師」みたいな感じなんだけど・・・。楽しみ♪「夏の日の恋」はリアルタイムで見てたんだけど、池部良が出てたのなんか記憶にない↓↓↓改めてリベンジ!それまでに、TVが見れる環境が復活してると良いなぁ。
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