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兄とその妹
2007 / 10 / 09 ( Tue )
1956年 日本 東宝 
監督/松林宗恵
脚本/島津保次郎
キャスト/池部良 原節子 司葉子 小林桂樹 柳永二郎 平田昭彦 伊豆肇 藤原釜足 加東大介 内海突破 斎藤達雄 佐田豊 他

東京山手に住む会社員・間宮敬介(池部良)は、妻・あき子(原節子)と、24歳になる妹・文子(司葉子)との三人暮し。妻と妹の仲も良く、敬介を心から慕ってくれている。だが、敬介はここ最近、部長の碁の相手で帰宅が遅い。文子に小言を言われながらも、なかなか約束も守れない。同僚の行田(伊豆肇)も親切ごかしに注意するが、部長に取り入ろうとかやましい下心のない敬介は気に留めない。文子は外人商社に英文タイピストとして勤めていた。ある日、敬介の下へ文子の結婚の話が舞い込む。相手は敬介の会社の部長の甥・道夫(平田昭彦)で、文子とは文子の職場で面識があった。敬介は、文子の思う通りに返事をすれば良い、自分の仕事とは一切関係ないと話を切り出すが・・・

以下、池部良祭41本目『兄とその妹』の感想です。
それにしてもラピュタ阿佐ヶ谷、そのキャパに対してスクリーンがデカいです。視界いっぱいって感じで、座席もなかなか。良いですねぇ、こういう整った環境で懐かしの日本映画が見れるって。
テーマは、家族と結婚。救いは、小林桂樹。

夫と妻、兄と妹と義姉。この家族の家族たる雰囲気が、さり気なく丁寧に、しっかり描かれています。そこが素晴らしく、池部良と原節子と司葉子なんて、あまりに非現実的な美男美女の家族構成にも、さほど違和感を感じませんでした。
この家族の朝のシーンが好きです。兄が歯を磨いたり顔を洗ったりするのを、妹が不機嫌な顔のまま手伝う。兄の袂が濡れないよう、慣れた手付きで後ろで押さえる。ちゃぶ台を囲んで朝食(パンとスープ)を食べ、ラジオの番組からはジャズが流れる。憎まれ口をききながらも、妹は出掛けにブラシで兄の靴の誇りを払う・・・。このアンバランスな空間の安定感。本当に日常の風景というか空気というか、この家の匂いまで嗅げそうです。
そう!兄が妻の熱を測ってあげるシーンがあるのですが、兄が「どれ」とばかりに腕の伸ばすと、妻が委ねるように目を瞑り、自分の額を兄の手の平に押し当てる。この瞬間の原節子の表情が、妙に色っぽくって!媚びるというのとは違うけど、男を盲目的に頼る女の色気を感じました。この辺りが、松林監督の言うところの“女性・原節子”でしょうか。

兄とその妻

兄の会社も、いかにも職場って雰囲気が漂っていました。表向きはいい顔をして腹に一物ある伊豆肇に、いじけた藤原釜足、涼しい顔をして部下に圧力をかける柳永二郎、思い込みで嫌味たっぷりに逆恨みする加東大介らも良い味出してました。彼らがここで働いているという、この空間作りが良いです。
妹に求婚をする青年に、平田昭彦。う~ん、ちと胡散臭いですね(笑)。誕生日に花を贈ったりする気障っぷりからして、絶対色々遊んでそうだし、職業は外国相手のブローカー。・・・あぁ、やっぱり胡散臭い。
あと、小林桂樹!最初に出てきた時は、妹を無理矢理?隣に座らせたりして、この人って悪い人!?と思っていたのですが、最後の最後でまた出てきて、見事兄を救ってくれました。お陰であっ気ないくらいに治まっちゃって、Sの私としましては、池部良の凹む演技をもう少し堪能したかった気もしますが・・・。

個人的に凄く気に入っているのが、出だしとラストの、兄が佐田豊演じる警官に声を掛けられるシーン。おそらく最終電車で帰宅し、駅から家までの道のりの途中。「お仕事、遅くまでご苦労ですなぁ」みたいな、出だしもラストも同じ文句の警官の挨拶。池部良も特に感情を表に出した演技をする訳じゃないけど(むしろ淡々だけど)、それでも観客には、出だしとラストの兄の心持ちの変化が感じ取れます。おそらく島津保次郎監督の脚本がこうなんだと思うのですが、さり気なく深くて良いですね。

さて、今回の池部良ですが、相変わらず淡々というか起伏がないというか。まぁ、社会人で既婚者の男が家族相手に話すんだから、それが普通だと思うし、その中で、ふと感情に熱が加わる一瞬がたまらなく良かったです。そこが魅力なんですよねぇ、池部良の演技は。
妻に、妹の誕生日に花を贈ってきた男性がいると聞かされて、「そんな事があったのか?」と聞き返す時の、嬉しさと興味が隠せない感じとか。あまりに自然で凄いなぁ・・・と思いました。あとは、職場で身に覚えのない事で攻められて、怒りで全身の毛が総立ちしているような、そんな鬼気迫る表情から、力が抜けるようにいつものニュートラルな表情に戻る。ここも素晴らしかったです。このシーンは入り込み過ぎちゃって、私まで胸は詰まるし口の中は苦いし(苦笑)
そうそう。ハイキングのシーンで、シートを轢いたりお弁当の準備をしたりする、特にポーズを取る訳でもない自然体の妻を、嬉しそうにカメラに収めている兄がちょっとにやりでした。新婚熱愛時代を過ぎた、夫婦間のラブラブの残像って感じで。うん、ウチの父親も旅行へ行くと、子供の写真より母親の写真を撮ってたなぁ・・・。無駄に沢山(笑)

20071009133414.jpg

池部良のビジュアルは、髪型がちょっと笑えました。髪質なんだろうけど、後ろに流した前髪が前に立っちゃうのね、池部良は。だから、たまに花形満か花輪君みたいになってたよ。
この時代の日本映画の特徴として、当たり前に妻の前で着替えるシーンがありますよね。会社用のスーツから家用の着流しに着替える。この頃の池部良って腕が太くて、白いランニングがホント眩しい☆スーツ姿も良いけれど、ちょっとだけ出た下腹に兵児帯を締めた着流し姿が、なんともツボでした。


今日BS2で放送予定だった『青い山脈』は、国会中継で中止でしたね。明日放送予定だった『続・青い山脈』と共に、11月1日、2日に放送されるそうです。先日見直したら、現代の若者の共感を得る作品だとは思わないけど、当時の世相が窺えてやっぱり面白かったなぁ。池部良と原節子、あの時は高校生と女子校の先生だったのにね。今回の『兄とその妹』は夫婦なのが、ちょっと感慨深いです。いや、二つ上の池部さんが高校生なのがそもそも・・・^^;。主題歌もそろそろ口ずさめそうです♪
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