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『東京物語』で見る日本人
2007 / 11 / 12 ( Mon )
先日、私の中国語の先生が小津安二郎監督の『東京物語』を見たらしく、その感想を語ってくれました。授業中なので、勿論中国語で。私が充分理解出来ないのを察してか、途中からオール日本語でしたが。
以下、『東京物語』のネタバレになっちゃうので、未見の方はご注意を。

開口一番、「長かった!」。・・・確かに(笑)
先生曰く、「一番驚いたのは、年老いた母親の葬式に来る子供達に、父親が「ありがとう」と言う。中国(先生はモンゴル出身)では、それは絶対言わない。親の葬式に出るのは、当たり前。義務」。そして、「日本では言いますか?それが普通ですか?」と。先生は、どうやら映画好きのお友達(日本人?)に、「これを見れば、日本人という民族が分かる」と言われて見たらしい。この感想を聞きながら、小津安二郎監督の作品が日本的と言われる理由が、なんとなくだけど分かった気がしました。和のテイストが味わえるから、というだけでなく、登場人物の思想や言動が日本人特有だ。そう認識させるからなのかなぁ・・・と。
この場合の「ありがとう」は、どうでしょう?絶対言うか聞かれたら、そんな事はないと思います。でも、忙しい合間に遠い所から集まった子供達に、この父親のように「ありがとう」と声を掛ける事を、不自然だ。ありえない、とは言い切れないとも思います。
そもそも、『東京物語』は劇映画です。フィクションです。
田舎から東京へ出てきた年老いた両親を、忙しいからと子供達は相手にしません。戦死した弟の嫁だけが、東京観光に連れて行ったりと面倒を見ます。子供達は、さも冷たい人間のように描かれます。それは、この年老いた両親と嫁を、対照的に温かい?情のある?そんな風に浮き出させる為。その結果、嫁のあの告白があり、観客はじんと感動したりする訳です。冷血漢の一歩手前のような子供達の描き方は、その為の長い長い布石の役割もあるのだと思います。だから、この子供達の言動を、イコール日本人の常識的な言動と解釈するのはどうかなぁ・・・と。
そして先生は、「母親の死に目に間に合わなかった息子が、「やっぱり間に合わなかったか」と笑いながら言う。中国ではありえない。自分の母親が死んだのに・・・」と。映画だし、この人物描写は多少誇張があると思うけど、こういう対応が分からなくもない。忙しさや日常に埋没して、そういう感情が麻痺したり、逆に構えて備え過ぎたりする。そういうのが日本人特有だとは感じた事はなかったけど、中国人は絶対しないし、なんとなくも理解出来ないのかもしれません。だとしたら、やはり日本人を象徴したような描写だったのでしょうか。

・・・とまぁ、答えが出ない事をぐるぐると考えながら、ただただ聞いておりました。それは違う!と言い切る経験もなかったし、逆に肯定するだけの根拠もありません。ただ、先生がこの作品を見て感じた事を伝えてくれた事が、妙に嬉しかったです。国も文化も時代も超えて、何かしらを感じさせてくれる。映画ってやっぱり良いなぁ・・・と、しみじみ思いました。


以下、最近見た中国・台湾映画、『遠い道のり』、『紅いコーリャン』、『クレイジー・ストーン』、『北京の恋』の感想です。
『遠い道のり』(監督/リン・チンチェ)

東京国際映画祭「アジアの風」、六本木ヒルズにて。
音が繋ぐ男と女と、もう一人の男と。いわゆるロードムービーなんでしょうね、これは。悩める、本来は接点のない3人が、偶然出会う。一組は直接的に、一組は間接的に。その遠い距離がどんどん近づいてゆくのか、やはり遠いままなのか。物質的な距離と心の距離が比例しているのか、どうなのか。この消化不良な感じがなんとも魅力的でした。
台湾中?の音を集める青年の旅と、その音を頼りに彼の後を辿る旅。その旅自体は本当に豊かで見入ってしまいましたが、結局は3人共が恋愛(男女)関係で悩んでいるみたい。う~ん・・・確かに人間、これ以上に悩む事はないのかもしれないけど、他のバリエーションがあっても良いのでは??と、鑑賞後ちょっと欲が出ました。
あと、ちょっとしたサプライズとしましては、映画が終わってシアターを出ると、そこには談笑する西○秀俊さんが。誰もきゃーともわーとも騒いでいなかったけど、もしかして他人の空似だったのでしょうか??


『紅いコーリャン』(監督/チャン・イーモウ)

生家の貧しい娘が、売られるようにハンセン病の酒造の大尽へ嫁へ。しかし間もなく、大尽は謎の死を遂げる。女主人となった嫁は酒造を盛り立て、逞しい若い男と結婚し子供を産む。しかし、そこにも戦争の痛ましい影が・・・。
とにかくダイナミック!圧倒されました。確かに凄い映像美なんだけど、情感溢れる繊細な・・・というより、力技。チャン・イーモウ監督を象徴する紅色も、正に血の色でした。
主演のコン・リーは生命力の溢れる、そういう強さから成る美しさを感じました。女である事、女が男にすがる事がちっとも弱さじゃない。
日本兵の残虐なシーン。なんかね、悔しかった。こんな風に描かれちゃうような事をしたのか・・・と思うと、悔しくて涙が滲みました。


『クレイジー・ストーン~翡翠狂騒曲~』(監督・ニン・ハオ)

物語の前後を逆さまする演出は、「木更津キャッツアイ」を彷彿としましたが、あまりに小刻みに時間がさかのぼるのが(苦笑)。しかも、メインはオッサンばかり。いわゆるイケメンって、あの香港から来たプロの窃盗犯だけじゃない??若い男前で媚びようとしない姿勢には、好感を持ちました。
ただ、これ・・・かなりブラックですよねぇ。ラスト、ひとりを除いては皆がアンハッピーエンドを迎えていたような。あと、トイレがさ!汚い!!マジ汚い!!嫌~×××と、『木浦は港だ』で口直ししたくなりました。あれも大概だけど、これよりは全然クリーンです。


『北京の恋~四郎探母~』(監督/スン・ティエ)

京劇を学びに北京を訪れた日本人女性と、30歳の中国人男性。彼は、8年のブランクを持つ京劇俳優である。戦争という拭い切れない日中の傷痕を、そのふたりの恋を通して、深い傷として認めながらも、克服してゆこうという姿勢で描かれた作品なんでしょうか。ただ、女性の方のキャラクターがあまりに作られたというか、リアルさが全く感じられず、私はこの男女の恋に共感が出来ませんでした。だからか、物語にも今ひとつ・・・。
でも、戦時下のシーンは実があり、かなり見入ってしまいました。女性のお祖父さんの兵隊時代を演じていた、あの当時の日本人らしい骨格をした俳優さん、凄く良かったなぁ。京劇にまつわるエピソードもなかなか見応えがあったので、トータル的には良質な映画だと思います。(えらそーに^^;)
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